ここでは、企業の皆様が安定した経営を行っていただくための分析方法のうち、代表的なものをご紹介致します。ぜひご活用ください。

収益性の分析

1.【売上総利益率(あら利率)】…売上総利益÷売上高 ×100(%)
   売上高に対しての売上総利益(あら利益)の割合を求めます。
   この割合が高いほど、企業としての収益性が良いことになります。
   標準値サンプル(業種・営業形態によって大幅に変わります)
        卸売業---約20%  小売業---約30%
        製造業---約25%
  建設業---約20%
        飲食業---約60%

2.【営業利益率】…営業利益÷売上高×100(%)
   企業の純粋な営業により得ることのできた利益の割合を求めます。
   売上高において、純粋な営業活動で得た利益が占める割合が分かります。
   この割合が高いほど、企業としての収益性が良いことになります。
        標準値サンプル 3〜5%前後

3.【経常利益率】…経常利益÷売上高×100(%)

   営業利益に営業外収益・費用を加減した利益の割合を求めます。
   本来の営業活動以外の収益、費用によって割合が左右されます。
   この割合が高いほど、企業としての収益性が良いことになります。
        標準値サンプル 2〜4%前後

4.【支払利息率】…(支払利息+割引料−受取利息)÷売上高×100(%)
   この比率は、売上高に対する支払利息の割合を求めます。
   現在の借入額、金利によって割合が左右されます。
   借入金(金利)条件の検討等にも利用します。
   当然、この割合は低いほど企業に利益を留保できます。
         標準値サンプル 1%前後


安全性の分析

1.【流動比率】…流動資産÷流動負債×100(%)
   この比率は、短期的な負債に対しての支払能力を判断します。
   この比率が高いほど、支払能力が安定しているといえます。
   ただし、流動資産の中に不良債権等が入っていないかの検討が必要です。
        理想値 120%以上

2.【当座比率】…当座資産÷流動負債×100(%)
   この比率は、短期的な負債に対してすぐに現金化して支払える資産の能力を判断します。
   この比率が高いほど、当面の支払いには困ることがないと思われます。
   流動比率よりも更に厳しい目で判断することができます。
   ただし、流動比率と同様に当座資産の中に不良債権等が入っていないかの検討が必要です。
         理想値 95%以上

3.【現預金対借入金比率】…(現金+預金)÷借入金×100(%)
   この比率は、現預金と借入金のバランスを判断します。
   比率の高低はともかく、突発的な事態に備え、ある程度の蓄えが必要と考えられます。
         理想値 30%以上

4.【固定比率】…(固定資産+繰延資産)÷自己資本×100(%)
   この比率は、固定資産と自己資本の割合を求めます。
   自己資本を上回る部分の固定資産は、他人資本で補われています。
   この比率が低いほど安全性が高いといえます。
          理想値 160%以下

5.【固定長期適合率】…(固定資産+繰延資産)÷(固定負債+自己資本)×100(%)
   この比率は、固定負債と自己資本に対する固定資産の割合を求めます。
   固定資産が固定負債と自己資本の範囲内にあるかどうかを判断します。
   範囲を超えている場合、支払サイクルの短い流動負債で現金化が困難な固定資産を補っていることになり、
   あまり理想的ではありません。
          理想値 100%以下

6.【自己資本比率】…自己資本÷総資本×100(%)
   この比率は、総資本に対する自己資本の割合を求めます。
   この比率が高いほど、財務内容は安定しているといえます。
           理想値 25%以上

ここに公開している標準値・理想値は、あくまで一般的な数値です。業種および形態等によって異なってきますのでご了承ください。